喉に何か異常を感じたとき、「扁桃腺かな?」と思う人は少なくないですよね。
扁桃腺と言えば耳鼻咽喉科の出番です。
すぐに近所の耳鼻咽喉科に診てもらう人も多いでしょう。
もちろんそれは間違いではないのですが、病気と言うのは自分自身も知識を身につけておくことが重要になります。
今回は扁桃腺とはどのようなものなのか、解説しますので、参考にしてください。
まず「扁桃腺」というのは、正しい病気の名前ではありません。
扁桃炎、もしくは扁桃腺炎というのが正しい病名であると言えるでしょう。
故に以下、扁桃腺ではなく扁桃炎と呼びます。
扁桃炎といえば風邪、と言うイメージを持っている人も多いかもしれませんね。
同じような症状であることが多いですし、混同されがちです。
じつは扁桃炎と風邪は似て非なるものなのです。
風邪と言うのは定義が曖昧な部分もありますが、一般的にはウイルスを原因とした上気道感染症です。
あくまでも「ウイルス感染」が風邪なのです。
ちなみに別の病気として扱われることの多いインフルエンザも、広義には風邪の一種となります。
これに対し扁桃炎と言うのは、ウイルスだけでなく細菌が原因となることもあります。
原因が何かではなく、炎症そのもの、症状そのものが扁桃炎なのです。
扁桃炎を原因として風邪のような悪寒があったり、高熱が出たり、といったこともあります。
つまり、風邪の一症状として扁桃炎が発症することはありますが、扁桃炎そのものが風邪の一種と言うわけではないのです。
ちなみに扁桃というのは、かつて扁桃腺と呼ばれていた上皮性期間です。
故に扁桃炎を扁桃腺と呼ぶことが多かったのですが、厳密に言うと「腺」ではないので、現在は扁桃と呼ばれています。
この扁桃に炎症が発症するのが扁桃炎なのです。
扁桃は免疫細胞が非常に多い器官であり、ウイルスや細菌への感染を防御してくれます。
しかし構造上、細菌の巣窟となる可能性が高い器官でもあるので、感染症を発症する可能性も高いのです。
つまり扁桃炎と言うのはあくまでも扁桃の炎症ですが、それがウイルス性であれば「風邪による扁桃炎」と診断されることもあるのです。
もちろん細菌性の扁桃炎の場合は風邪ではありません。
いずれにしても扁桃炎になったらとりあえず耳鼻咽喉科に通院するのが大正解ですが、小さな子供はとくに扁桃炎になりやすいので、通院頻度も高くなりがちです。
通院の必要性を自分で判断できるようになるためにも、お子さんがいる方は扁桃炎について多少の知識を持っていた方が良いでしょう。